現代漢語には、謂語(述語)部分が「是・・・・的」の形式から成る文がある。わたしたちはこのような形式を持つ文を「是・・・・的」文と呼んでいる。
「是・・・・的」文中では、「是・・・・的」を1つのまとまった構造とみなすことができる。それはあたかも、1つの生きた枠組みを謂語に当てはめたかのようである。必要な時に当てはめ、必要なくなれば省く。文の基本的な意味に影響しない。それは文中で意味の重点を説明するか、あるいはある種の語気を表わすだけである。このため、本質からいうと、「是・・・・的」文は一般的な動詞謂語句(動詞述語句)、形容詞謂語句(形容詞述語句)、または主謂謂語句(主語と述語を持った述語句)ということになる。
「是・・・・的」構造が文中で果たす役割から見ると、「是・・・・的」文には2種類ある。一、文の意味の重点を説明する「是・・・・的」文と二、語気を表わす「是・・・・的」文である。
| 一、 | 文の意味の重点を説明する「是・・・・的」文 | ||||||
| (一)「是・・・・的」文は意味の重点を説明する | |||||||
| (二)意味の重点を表わす「是・・・・的」文の数種の文型 | |||||||
| (三)「是・・・・的」と「了」の区別 | |||||||
| 二、 | 語気を表わす「是・・・・的」文
| (一)「是・・・・的」文が表わす語気
| (二)語気を表わす「是・・・・的」文のいくつかの文型
| (三)2種類の「是・・・・的」文の区別
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「過」はかつてある種の経験をした、かつてある動作を行った、またはある状態が存在したということを表わす。「過」を用いるのは、その動作がすでに行われなくなったか、その状態がすでに存在しなくなった時である。例えば、
2組の文を比較すると、「是・・・・的」構造を持つ文が、「事柄の発生は過去で、動作はすでに完了し、客はすでに出発した」ことを表わしているのが分かる。説明の力点は動作自体ではなく、動作が発生した時間である。客は7時に出発したのである。
2人の話し手は、どちらもある動作がすでに過去において完了したことを知っており、例えば動作が完了した時間、場所、方法、動作を起こした人、あるいはそれを受けた人など、この動作に関係するある内容を強調しようとする場合に、「是・・・・的」文を用いることができるのである。この種の「是・・・・的」文の謂語(述語)は主に動詞、動詞短語(フレーズ)および動詞を述語とする主謂短語である。
この種の文は、「是・・・・的」構造中の動詞の前に、必ずこれらの内容を表わす状語(連用修飾語)がある。全文の意味の重点は状語が表わすのである。このため、文の重音(強調発音点)も状語に置かれる。
この種の文を特殊な疑問文に用いて質問する場合、疑問代詞(疑問代名詞)は文中の強調される状語の部分を問う。
「是・・・・的」構造中の動詞が名詞賓語(目的語)を取る場合、通常、賓語の位置は「的」の後であるが、時に「的」の前に置くこともできる。賓語が代詞(代名詞)の場合は、通常、賓語は「的」の前に置かれる。
動詞の後に趨向補語(方向補語)の「来」「去」がある場合、賓語が趨向補語「来」「去」の前にあれば、「的」は「来」「去」に続けて文末に置く。賓語が「来」「去」の後にあれば、「的」も「来」「去」とともに賓語の前に置く。例えば、
このような文には、「是・・・・的」構造中に常に1つの主謂短語(主語と述語を持つフレーズ)がある。主謂短語の謂語(述語)は動詞で、主謂短語の主語は文が強調する重点。発話の時の重音(強調発音点)もこの主語に置かれる。文全体の意味上の主語は主謂短語中の動詞の作用を受ける事柄である。
強調する重点も不変である。文全体の主語を文末に移動させ、主謂短語(主語と述語を持つフレーズ)中の動詞の賓語(目的語)にする。意味は変わらない。なぜなら、主語は意味上、もともと動詞の受け手であり、主謂短語中の主語はもともと動作の実施者だからである。こうすることで、文は「是」で始まるが、強調するのはやはり「是」以降の部分、すなわち動作の実施者である。重音(強調発音点)もそこに置かれる。
2と3の2種類の形式は同一部分を強調する。動詞の受け手となる語の前に比較的長い定語(連体修飾語)がある場合は文頭に置かれ、定語が簡単か、あるいはない場合は文末に置いて賓語にすることができるのである。
この種の文では、「是・・・・的」の中に動詞があり、動詞の賓語(目的語)は「的」の後に置かれる。文全体が強調する意味の重点はこの賓語である。文の重音(強調発音点)は賓語に置かれる。
この種の文では、「是・・・・的」構造の中に動詞が1つある。文全体の主語は、意味の上では動作によって生まれた結果で、文全体が強調するのは、その結果を生んだ原因である。このため、発話時の文の重音(強調発音点)は「是・・・・的」中の動詞に置かれる。
動詞の後に賓語(目的語)がある場合は、動詞は賓語の後で繰り返さなければならない。文全体の重音は繰り返しの動詞に置かれる。
以上、意味の重点を説明する「是・・・・的」文のいくつかだが、使用の際には、しばしば「是」が省略される。意味は変わらない。例えば、①你是哪天来的? → 你哪天来的?②我是六号来的。 → 我六号来的。それぞれ2つの文の意味は同じである。特に、3.の文型で文頭に置かれる「是」はより省略されやすい。例えば、「是谁出的主意?王华出的主意。」ただし5.の「是」は省略はできない。すなわち、「他头疼是苦的」は「他头疼哭的」と言い換えることはできない。
このような意味の重点を説明する「是・・・・的」文の否定形は、「不是・・・・的」となる。否定するのは動作自体ではなく、文が強調している動詞に関係のある部分である。
(1)が否定しているのは動作発生の時間である。「すでに来たが、昨日来たのではない」という意味である。(2)が否定しているのは動詞の賓語である。「すでに行ったが、行ったのは大連ではない」という意味である。
「是・・・・的」文は時に動態助詞「了」をともなう文と混同され、「玛丽是在美国生的。」を「玛丽是在美国生了。」と言ってしまう。なぜなら、どちらも動詞謂語(述語)中で用いられ、それが表わす動作が、いずれも過去にすでに完了または発生したものだからである。このため、「是・・・・的」と「了」の文中での役割の違いを区別する必要がある。
(1)動詞の後に「了」を用いた文は、過去に発生した動作または行為を説明する。「是・・・・的」を用いた文は、動作、行為の発生の時間、場所、方法などに関する内容を強調する。(2)「是・・・・的」の否定では「不是・・・・的」、「了」の否定では「没」を用いる。(3)それらの疑問文の形式も異なる。
2種類の形を比較するのは、それらを区別し、誤用を避けるためである。2種類は常に相互に入れ替えができるわけではない。そのうちの1種類しか用いることのできない文も少なくない。もう一方の形式に入れ替えることで、意味が変化したり、まったく成り立たなくなったりする。
2つ目の文は成り立たない。
1つ目が問うているのは頤和園へ行った方法で、乗り物に乗ったのか歩いて行ったのかということ。2つ目は頤和園へ行った理由である。2つの間には関連性がない。
1組目の問答の(1)の回答は、「瑪麗は恐らく来るだろう」ということを一般的に説明しているだけである。(2)の謂語(述語)には「是・・・・的」が用いられ、肯定の語気が加えられている。話し手は、「瑪麗が来るだろう」ことを確かに知っているのである。2組目の(1)は、「プログラムはすばらしい」ことを一般的に説明するもの。(2)は肯定の語気を強めており、話し手は自分は確かに「プログラムはすばらしい」と思っていることを表現しているのである。
話し手は、自己のある事柄に対する見方、見解を述べるか、あるいはある事柄に対して解釈、説明を加えると同時に、自分の情緒、口調を表わす際に、語気を表わす「是・・・・的」文を用いることができる。それは主に肯定、確認の語気を強めることを表わし、時には穏やか、婉曲な語気を表わすこともできる。
この種の文の「是・・・・的」構造には、動詞、動詞短語(フレーズ)、主謂短語(主語・述語を持ったフレーズ)以外に、形容詞、助動詞、ある種の副詞も含まれる。謂語がどのようなものであっても、「是・・・・的」構造を加えた後は、「的」は常に文末に置かれる。
1.単独の形容詞、助詞、助動詞が謂語(述語)になる文では、「是・・・・的」構造は単詞謂語(短語述語)に当てはめられる。発話時の文の重音(強調発音点)もこの単詞謂語に置かれる。
2.「是・・・・的」構造の中間にある謂語が動詞構造である時、3種類の形式がよく用いられる。
3.文の謂語が主謂構造(主語・述語を持った構造)であれば、「是・・・・的」を当てはめた時、主謂構造全体を「是・・・・的」の中間に置くことはできない。「是」は主謂構造の主語と謂語の間にはめ込まなければならない。「的」は文末に置く。
この種の文の主語は、意味の上では謂語中の動詞を受けている。そのため、主語を後に持っていって賓語(目的語)にすることもできる。「的」は文末に置く。
このように位置を変えた後も、表わす語気は変わらない。重音は動詞に置かれる。
「是・・・・的」の前にさらに「不」を加えて1度否定すれば、双重否定(二重否定)の形式となる。ある事柄を婉曲に、または強調して肯定する時に用いる。
「是・・・・的」構造は、異なる文の形式の中では役割も異なり、2種類の「是・・・・的」文があることになる。どのようにこの2種類を区別すればよいのか。
1.意味の重点を指摘する「是・・・・的」文の謂語(述語)とは、すなわち「是・・・・的」構造中の成分が動詞、動詞短語(フレーズ)または動詞を謂語とする主謂短語(主語と述語を持ったフレーズ)であるものである。語気を表わす「是・・・・的」文の謂語は、動詞と動詞短語以外に、形容詞、形容詞短語、能願動詞、副詞などがある。
2.謂語が動詞であっても状況は異なる。意味の重点を指摘する文は、動詞の前に常に時間、場所、方法を表わす状語(連用修飾語)があり、それこそが文が強調する重点である。語気を表わす文では、動詞の前に常に能願動詞、動詞の後に常に可能補語がある。
3.賓語(目的語)の位置も、2種類の文を区別する目印の1つとなる。意味の重点を指摘する「是・・・・的」文では、賓語は「的」の前と後ろのどちらに置いてもよい。語気を強調する文では、賓語は「的」の前にしか置くことはできないとともに、「的」は常に文末に置かれる。
4.2種類の文の否定の形も異なる。意味の重点を指摘する文の否定の形は「不是・・・・的」で、否定するのは動作自体ではなく、文が強調し指摘する動詞に関係のある内容である。語気を表わす「是・・・・的」文の否定形は、「是・・・・的」構造中の成分を否定に変える。
文の構造から科学的にこの2種類の「是・・・・的」文を分析することは、文の正確な理解・把握にとって非常に必要なことであるが、それよりも重要なのは、多くの練習と実践を重ねることである。実際の言語環境の中で異なる文型の特徴を体験・観察して語感を養わなければ、これらを自在に操ることはできない。